2009年
桜の見ごろは毎年変わるが、星座の見ごろが変わることはない。この時期、冬を代表するオリオン座やおうし座などは、空が暗くなるころには早々と沈んでしまう。26日にはおうし座のプレアデス星団(すばる)に水星と月が並ぶ。水星は常に太陽の近くにあり、東方最大離角の26日は今年最高の観望条件ながら、日没30分後の高度はわずか13度。5月に入ると水星は再び太陽の方向に隠れ、冬の星座もそれを追うように見えなくなるだろう。
冬の星々ではこいぬ座のプロキオン、ふたご座のカストルとポルックスが、依然として西の空で存在感を示している。その上の天頂付近には、プレセペ星団が有名なかに座としし座の頭が見られる。しし座の頭は、1等星レグルスなどの星が作る「?」を裏返した形が目印だ。
しし座の尾の方では観望シーズンの土星が明るく輝いている。今年は、とても細くなってしまった環を望遠鏡で見ることができる。土星のおかげで存在感が薄いが、しし座の尾に位置するのが2等星デネボラだ。デネボラ、うしかい座の1等星アルクトゥールス、おとめ座の1等星スピカを結んだ春の大三角は、春が本格化するとともに東の空で高度を上げてくる。
22日から23日にかけて、こと座流星群が極大となる。まれに突発的な出現を見せることで知られる流星群だ。23日の明け方は、東の低空で月と金星と火星が集まる。3月まで夕方の空で輝いていた金星が、すでに明けの明星として輝いているのだ。細い月と火星は双眼鏡の視野に収まる範囲にあるので、まとめて観察してみよう。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -1.7 | -1.0 | 0.1 |
視直径 | 5.2" | 6.0" | 7.6" |
星座 | うお | おひつじ | おひつじ |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.2 | -4.4 | -4.5 |
視直径 | 57.1" | 50.6" | 43.2" |
星座 | うお | うお | うお |
現象 |
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火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.2 | 1.2 |
視直径 | 4.3" | 4.4" |
星座 | みずがめ | うお |
現象 |
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木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.1 | -2.2 |
視直径 | 35.3" | 37.2" |
星座 | やぎ | やぎ |
現象 |
土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.8 | 0.9 |
視直径 | 19.4" | 19.0" |
星座 | しし | しし |
現象 |
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天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.9 | 7.9 |
視直径 | 3.3" | 2.2" |
星座 | うお | やぎ |
現象 |
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