2009年 4月

桜の見ごろは毎年変わるが、星座の見ごろが変わることはない。この時期、冬を代表するオリオン座やおうし座などは、空が暗くなるころには早々と沈んでしまう。26日にはおうし座のプレアデス星団(すばる)に水星と月が並ぶ。水星は常に太陽の近くにあり、東方最大離角の26日は今年最高の観望条件ながら、日没30分後の高度はわずか13度。5月に入ると水星は再び太陽の方向に隠れ、冬の星座もそれを追うように見えなくなるだろう。

冬の星々ではこいぬ座のプロキオン、ふたご座のカストルとポルックスが、依然として西の空で存在感を示している。その上の天頂付近には、プレセペ星団が有名なかに座としし座の頭が見られる。しし座の頭は、1等星レグルスなどの星が作る「?」を裏返した形が目印だ。

しし座の尾の方では観望シーズンの土星が明るく輝いている。今年は、とても細くなってしまった環を望遠鏡で見ることができる。土星のおかげで存在感が薄いが、しし座の尾に位置するのが2等星デネボラだ。デネボラ、うしかい座の1等星アルクトゥールス、おとめ座の1等星スピカを結んだ春の大三角は、春が本格化するとともに東の空で高度を上げてくる。

22日から23日にかけて、こと座流星群が極大となる。まれに突発的な出現を見せることで知られる流星群だ。23日の明け方は、東の低空で月と金星と火星が集まる。3月まで夕方の空で輝いていた金星が、すでに明けの明星として輝いているのだ。細い月と火星は双眼鏡の視野に収まる範囲にあるので、まとめて観察してみよう。

今月の星空4月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星4月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -1.7 -1.0 0.1
視直径 5.2" 6.0" 7.6"
星座 うお おひつじ おひつじ
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -4.2 -4.4 -4.5
視直径 57.1" 50.6" 43.2"
星座 うお うお うお
現象

火星

上旬 下旬
等級 1.2 1.2
視直径 4.3" 4.4"
星座 みずがめ うお
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.1 -2.2
視直径 35.3" 37.2"
星座 やぎ やぎ
現象

土星

上旬 下旬
等級 0.8 0.9
視直径 19.4" 19.0"
星座 しし しし
現象
  • 5日 衛星タイタンが土星の影から出現
  • 21日 衛星タイタンが土星の影から出現

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.9 7.9
視直径 3.3" 2.2"
星座 うお やぎ
現象
  • 15日 天王星が火星に接近