2009年
毎年7月になると、梅雨明けと夏休みのはじまりが待ち遠しいという方も多いだろう。しかし、今年はそれ以上に気になる天文現象が待っている。そう、7月22日の日食だ。鹿児島県のトカラ列島などで皆既日食となり、全国各地でも太陽が大きく欠ける部分日食が見られる。欠けた太陽を肉眼で見ないように、安全に注意して楽しもう。
日食の半月前、7月7日は新暦の七夕。ちょうど満月にあたってしまうが、晴れてさえいれば、おり姫星とひこ星を東の空で見つけるのにそう苦労しないだろう。それぞれ西洋風に言えば、こと座のベガとわし座のアルタイル。はくちょう座のデネブとあわせて、「夏の大三角」を作っている。
おり姫星とひこ星の間を流れる天の川は南の地平線まで続き、そこにさそり座のアンタレスが輝く。4日にアンタレスは月に隠されるが、日没前の低い空で起きるため澄んだ空と望遠鏡が必要だ。
西の空では、まだうしかい座のアルクトゥールスやおとめ座のスピカなど、春の星を見つけることができる。
午後9時を過ぎると、東の空から木星が昇ってくる。圧倒的な明るさなので一目で分かるが、そのすぐ近くには最遠の惑星、海王星も輝いている。とても暗いので肉眼では見ることができないが、7月10日に木星と海王星が大接近するので、このチャンスに木星へ望遠鏡を向けて海王星を見つけてみよう。
22日の日食が終わっても、夏休みは始まったばかりだ。7月28日が極大のみずがめ座δ流星群を皮切りに、夏の流星群シーズンが始まる。夏の大三角、さそり座、木星など、明るい星も多い。日食をきっかけに天体観察を始める方には最高の季節が待っている。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -1.4 | -2.3 | -1.0 |
視直径 | 5.4" | 5.0" | 5.2" |
星座 | ふたご | ふたご | かに |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.1 | -4.1 | -4.1 |
視直径 | 17.9" | 16.5" | 15.4" |
星座 | おうし | おうし | おうし |
現象 |
火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.1 | 1.1 |
視直径 | 5.0" | 5.2" |
星座 | おうし | おうし |
現象 |
木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.7 | -2.8 |
視直径 | 46.2" | 48.1" |
星座 | やぎ | やぎ |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.1 | 1.2 |
視直径 | 16.8" | 16.4" |
星座 | しし | しし |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.8 | 7.8 |
視直径 | 3.6" | 2.3" |
星座 | うお | やぎ |
現象 |
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