2009年 5月

天頂を挟んだ南北の高い位置に、春を代表する2つの星座が昇っている。

南にあるのが、1等星レグルスと「?」を裏返した形が目印のしし座だ。各地で開催される観望会では、しし座の足もとで輝く土星を望遠鏡で見る機会が多くなりそうだ。地球に対して横を向くためとても細くなっている環に注目したい。

北にはおおぐま座が昇っている。熊の腰から尾にあたる北斗七星は、すぐに見つかるだろう。尾のカーブをのばすと、オレンジ色の1等星、うしかい座のアルクトゥールスが見つかる。さらにカーブをのばすと、白い1等星、おとめ座のスピカにたどりつく。これが「春の大曲線」だ。

6日の未明に、みずがめ座η流星群が極大を迎える。南半球では活発な出現を見せる流星群として注目を集めているが、北半球では放射点が低いため、見過ごされがちだ。しかし、今年は極大のころには月が沈んでいるため、最高の条件で観察できる。ゴールデンウィーク最大の目玉と言えるだろう。

みずがめ座η流星群を観察すると、放射点の近くでとても明るく輝く星が目につく。木星だ。観望シーズンにはまだ早いが、今月下旬は、ぜひ双眼鏡や望遠鏡を向けてみたい。目的は木星に接近しているもう1つの惑星、海王星だ。27日には木星と海王星が大接近し、前後数日間は望遠鏡で50倍ほどに拡大しても同じ視野で見ることができる。海王星の明るさはわずか7.9等で、ふつうの恒星と区別するのが難しい。この機会にぜひとも見ておきたいところだ。

今月の星空5月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星5月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 1.7 4.3 3.3
視直径 9.9" 11.9" 11.9"
星座 おうし おうし おうし
現象
  • 8日 留
  • 18日 太陽に接近
  • 18日 内合
  • 31日 留

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -4.5 -4.5 -4.4
視直径 36.8" 31.6" 27.5"
星座 うお うお うお
現象
  • 2日 最大光度

火星

上旬 下旬
等級 1.2 1.2
視直径 4.5" 4.6"
星座 うお うお
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.3 -2.4
視直径 38.3" 40.8"
星座 やぎ やぎ
現象
  • 6日 衛星エウロパがイオをかくす
  • 9日 衛星エウロパがガニメデをかくす
  • 17日 衛星カリストの影にイオが入る
  • 22日 西矩
  • 25日 衛星イオがエウロパをかくす
  • 27日 衛星ガニメデがイオをかくす
  • 27日 海王星に大接近

土星

上旬 下旬
等級 0.9 1.0
視直径 18.7" 18.1"
星座 しし しし
現象
  • 6日 衛星テチスの影にエンケラドスが入る
  • 7日 衛星タイタンが土星の影から出現
  • 12日 衛星テチスの影にミマスが入る
  • 13日 衛星エンケラドスの影にミマスが入る
  • 18日 留
  • 23日 衛星タイタンが土星の影から出現

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.9 7.9
視直径 3.4" 2.2"
星座 うお やぎ
現象