「はやぶさ2」第2回着陸地点は「うちでのこづち」
【2019年7月29日 JAXA】
7月11日に小惑星リュウグウへの第2回タッチダウン(PPTD)を成功させた探査機「はやぶさ2」は、翌12日に高度20kmのホームポジションに戻った。現在はホバリングの高度を下げてリュウグウを観測する運用が行われており、7月25〜27日には高度約5kmまで降下した。
7月25日の記者説明会では、第2回タッチダウンの際に撮影された新たな画像や動画が公開された。
「はやぶさ2」の側面にある小型モニタカメラ「CAM-H」では、タッチダウンの約3分前から5分後までの、サンプラーホーン先端付近の様子が連続撮影されている。この連続画像から作られた動画では、着地の瞬間にプロジェクタイルが発射され、おびただしい数の岩石の破片が舞い上がる様子がわかる。
また、タッチダウンの約2分前に高度8mから撮影されたパノラマ画像も公開された。これは探査機の直下を撮影するカメラ「ONC-W1」と、斜め下を撮影する「ONC-W2」の画像を垂直方向に合成したもので、着陸地点のそばに投下されたターゲットマーカーや、ほぼ水平方向から見た人工クレーターの凹みが写っている。
第2回タッチダウン後に得られたデータから、タッチダウンの正確な時刻は7月11日の10時06分18秒(機上時刻)で、着陸地点は当初予定していた半径3.5mのエリア「C01-Cb」の中心からわずか60cmしか離れていなかったことが判明した。2月に行われた第1回タッチダウンでの位置のずれは約1mだったので、さらに着陸精度が向上したことになる。
さらに、今回タッチダウンした地点のニックネームを「うちでのこづち」とすることが発表された。リュウグウの地形名や重要な探査運用が行われた地点の愛称は、童話や昔話にちなんで名付けられている。「はやぶさ2」プロジェクトチームでは、この地点で採取したサンプルから科学的な成果がたくさん生まれることを期待してこの愛称にしたという。
(文:中野太郎)
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