順調に成長、宇宙レタス

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国際宇宙ステーション内で1か月かけて育てたレタスが収穫された。宇宙生物学としても宇宙飛行士の健康維持としても重要な成果だ。

【2016年12月5日 NASA

10月25日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士Shane Kimbroughさんは野菜実験を開始し、6つのレタスの苗を同時に育ててきた。

レタスの収穫時に行われたISSとの交信
レタスの収穫時、モニターを通してISSのクルーとメッセージのやりとりをするNASAの野菜プロジェクトエンジニア Charles Spernさん(左)(提供:NASA)

「第1週目に苗が水を吸いすぎたために、成長が予定より少し遅れました。わたしたちは水分を飛ばすために、レタスに風を送るようKimbroughさんに指示し、その後にレタスは無事復活しました」(NASA野菜プロジェクトマネージャー Nicole Dufourさん)。

レタスの収穫には“Cut-and-come-again”という方法が用いられている。レタスを根こそぎ収穫するのではなく、外側の成長した葉のみをカットしていくことで、だいたい10日ほどで残った中心部分から新しい葉が繰り返し生えてくる。

実験の目標は軌道上での野菜の収穫量を増やすことだ。もちろん、宇宙飛行士に新鮮な野菜を食べてもらう機会を増やすことは、栄養補助的な意味で重要である。「繰り返し収穫できるので、宇宙飛行士のためにもなりますし、科学実験にも役に立ちます。初収穫を楽しんだShaneからの報告を楽しみにしています」(Dufourさん)。

今回収穫されたレタスはすべて宇宙飛行士の食料になるが、計4回の収穫が見込まれており、最後の収穫は年明けの予定だ。収穫されるレタスは、宇宙飛行士が食べる分と、サンプルとして地球へ送り返される分とに分けられる。

この実験は、宇宙で健康的な作物を育てるという“宇宙生物学”と、宇宙飛行士の健康の維持をする“ヒューマン・リサーチ”という2つの分野にまたがっており、応用科学分野におけるNASAの重要なデモンストレーションといえる。