アルマ望遠鏡、全66台のアンテナが引き渡し完了
【2013年10月4日 アルマ望遠鏡】
南米チリのアルマ望遠鏡を構成する66台目のアンテナが9月末、現地の欧州組立エリアからプロジェクト管轄エリアに移設された。日米欧が開発製造したアンテナは、すべて引き渡し完了となった。
9月30日、チリのアタカマ高原で建設が進むアルマ電波望遠鏡の山麓施設にて、欧州製の12mアンテナが組立エリアから合同アルマ観測所に移設された。これは同望遠鏡を構成する全66台のうち最後のアンテナで、2009年1月に日本製の12mアンテナが最初に引き渡されてから実に4年半越しでの引き渡し完了となる。
アンテナはこの後、合同アルマ観測所で受信機を搭載して性能確認試験が行われ、標高5000mの山頂施設に運ばれる。今年5月にすでに設置完了した日本の「アタカマコンパクトアレイ」(ACA)と、北米と欧州それぞれが開発した12mアンテナ25台ずつが揃い、いよいよ世界最高の解像度を誇る巨大電波望遠鏡の性能をフルに発揮した観測が始まることになる。
12mアンテナ4台と7mアンテナ12台から成るACAは、開発設計に関わった故・森田耕一郎国立天文台教授の業績を称えて「モリタアレイ」と命名されている。9月に試験機が打ち上げられた新型ロケット「イプシロン」とともに「2013年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」に選出されており、10月30日から11月4日まで東京ミッドタウン(東京都港区)で開催される同賞の受賞展で紹介される予定だ。