地球の近くを通過する小惑星2013 TX68
【2016年3月1日 NASA JPL】
先月上旬、2013 TX68という符号が付けられた小惑星が地球のすぐ近くを通り過ぎるというニュースが流れた。この天体は2013年10月にNASAのカタリナ・スカイ・サーベイで発見されたもので、大きさは約30m前後と見積もられている。
当時の観測期間が短かったため小惑星の軌道ははっきりしていなかったが、近ごろNASAのパンスターズ・小惑星サーベイが撮影した過去の画像を見直したことにより、軌道がより正確に予測できるようになった。先月末の発表によれば、小惑星2013 TX68が地球に最接近するのは3月8日午前9時ごろ(日本時間)で、地球から500万kmほど離れたところを通り過ぎていく見込みだ。これは地球から月までの距離の約13倍も遠いところである。ひょっとするともっと近い可能性もあるが、それでも地表から2万4000km程度の接近だという。
最初の発表の時点では小惑星の最接近距離は200万kmとされており、いずれにせよ地球に影響を与える可能性はなかったが、さらに遠くなったということになる。
地球最接近時の小惑星2013 TX68はおうし座とふたご座の境界付近にあり、明るさは21等級前後と予想されている。一般的には観測や撮影はほぼ不可能だが、ステラナビゲータなどでシミュレーションしてみるとイメージがわくかもしれない。
地球に接近する小惑星のリストは、たとえばNASA JPLの「NEO Earth Close Approaches」のページで見ることができる。リストからは、ここ数日の間にも2013 TX68よりも地球に近づく小惑星があることや、ときには彗星も接近していることなどがわかるだろう。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- Near-Earth Object Program: http://neo.jpl.nasa.gov/
- アストロアーツ 投稿画像ギャラリー: 彗星・小惑星・準惑星
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