海王星以遠を惑星と逆方向に公転する氷の塊「Niku」

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近年、新たに発見された複数の太陽系外縁天体によって、惑星の成り立ちや太陽系の歴史の再考が迫られている。惑星とは逆方向に公転している小天体「Niku」も、そうした天体の一つだ。

【2016年8月19日 Universe Today

台湾中央研究院の陳英同さんたちの研究チームは米・ハワイのパンスターズ1望遠鏡による観測から、海王星よりも遠いところを公転している小さな天体を発見した。直径200kmのこの天体が特徴的なのは、公転軌道が大きく傾いており、太陽系の惑星と反対方向に公転していることだ。研究チームはこの天体に、中国語で「反抗的な」という意味を持つ「Niku」という愛称を付けている。

太陽系の惑星は、太陽の周りを回転していた原始惑星系円盤内で作られたため、すべて同じ方向に公転しており軌道の傾きも揃っている。多くの小惑星や彗星もそうだが、一部の小天体はNikuのように大きく傾いた軌道を持っていたり反対方向に公転したりしている。

太陽系外縁天体の想像図
太陽系外縁天体の想像図(提供:NASA, ESA, and G. Bacon (STScI))

その謎めいた軌道は、未知の第9惑星の影響によるものとも考えられた(参照:アストロアーツニュース「シミュレーションで推測、太陽系第9惑星存在の可能性」)。しかし詳しく調べてみると、Nikuの軌道は第9惑星の影響を受けるには太陽に近すぎるようだ。太陽からNikuまでの平均距離は約54億km(太陽~海王星は約45億km)であるのに対し、シミュレーションで推定されている第9惑星までの距離は900億km以上もある。

Nikuと同じような傾きの軌道を持つ天体は複数存在している。第9惑星ではないにせよ、何らかの天体の影響であるのは間違いないだろう。太陽系外縁部はまだまだ、わからないことだらけである。

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