米衛星による全天赤外線カタログ公開

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【2012年3月19日 NASA

赤外線天文衛星「WISE」が観測した新しい全天カタログが公開された。このデータから新たな研究成果が期待される。


「WISE」による全天赤外線マップ

「WISE」による全天画像。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA。以下同)

超新星残骸カシオペヤ座A

「WISE」が撮影した超新星残骸カシオペヤ座A(画像中央)。超新星爆発の光で熱せられたダストが周囲に広がる(オレンジ色のもやっとした部分)。クリックで拡大

NASAの赤外線天文衛星「WISE」による全天カタログが公開された。赤外線で観測した恒星や銀河など約5億もの天体が含まれている。

2009年に打ち上げられた「WISE」は、2010年にそれまでにない高感度で全天を観測。4つの波長の赤外線で、太陽系内の小惑星から遠方銀河まで270万枚の画像を撮影した。2011年4月には全データの半分を処理したものが公開されている。

「WISE」のデータを追加した全天の赤外線マップは、1万8000万枚の画像と、5億6000万個にもおよぶ天体の赤外線データから成る膨大なものになった。天体の内訳は恒星と銀河がおよそ半々で、その多くが新発見のものだ。

観測ミッションをひと通り終えた「WISE」は2011年2月から冬眠モードに入っているが、その観測データからは、赤外線でのみ見える低温の「Y型矮星」や、地球と同じ公転軌道上のトロヤ群小惑星など、多くの研究成果が発表されてきた。今回の公開データからも多くの発見があるに違いない。

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