5つの惑星の大気に水の兆候

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【2013年12月5日 NASA

ハッブル宇宙望遠鏡による赤外線観測から、5つの系外惑星の大気に水の痕跡が見つかった。複数の惑星を詳細に調べることで、それぞれの大気の個性も見えてきそうだ。


系外惑星の大気

惑星(手前)の表面の大気を通して見える主星(奥側)の光を分析することで大気の成分を推定できる(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

地球の大気光

地球の大気を通りぬけてきた太陽の光にも、水や酸素の存在が刻まれている。画像は上空約400kmの国際宇宙ステーション(ISS)から見た地球の大気光。クリックで拡大(提供:JAXA/NASA)

水の兆候が見つかったのは、それぞれ異なる恒星のごく近くを回る巨大ガス惑星(ホットジュピター)だ。公転のたびに、地球から見て主星の手前を通過する軌道を持つ。

L. Drake Demingさん(米メリーランド大学)とNASAのAvi Mandellさんそれぞれの研究チームは、系外惑星の大気を通して見える中心星の光を分析し、惑星の大気に含まれる水が光の一部を吸収する痕跡を探った。その結果、WASP-12 b、WASP-17 b、WASP-19 b、HD 209458 b、XO-1 bの5つの惑星から、かすかだがはっきりとした水の兆候を見つけることに成功した。

系外惑星の大気の水についてはこれまで数例が報告されていたが、複数の惑星に関してその兆候の強さなどまで比較測定するのは初めてのことだ。WASP-17 bは大きくふくらんだ大気を持っていること、HD 209458 bは5つの中でも水の痕跡がとりわけ強く現れていることなどもわかった。

「温度環境など異なるタイプの惑星において、大気に含まれる水の量がどのように違ってくるか。今回の成果は、そういった比較研究の端緒を開くものです」(Mandellさん)。

想定よりも兆候が弱かったのは、惑星を覆う塵のもやのためとみられる。「これらの研究から、水の兆候が消されてしまっている惑星系が多くあることがわかります。雲やもやのかかったホットジュピターがごく普通に存在することを示しています」(Demingさんのチームの一人、カリフォルニア工科大学のHeather Knutsonさん)。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、800個に迫る数の「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、各惑星の中心星が存在する方向を星図に表示できます。「コンテンツ」メニュー→「コンテンツ・ライブラリ」から「系外惑星」のデータファイルをダウンロードし、「天体」メニュー→「追加天体」から表示を設定してください。

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