国立天文台の主力望遠鏡がとらえた彗星たち
【2013年11月18日 すばる望遠鏡/石垣島天文台/岡山天体物理観測所】
今月中旬に急増光したアイソン彗星には、プロ・アマチュア問わず多くの観測の目が向けられている。すばる望遠鏡など国立天文台の各望遠鏡が注目の彗星を詳細にとらえた画像が公開された。
11月29日に太陽最接近を控えるアイソン彗星(C/2012 S1)には、アマチュア観測者はもちろん、世界中の主力望遠鏡の目が向けられている。
画像1枚目は、米ハワイのすばる望遠鏡に新しく搭載された超広視野主焦点カメラ「HSC」が11月5日に撮影したアイソン彗星だ。この時の明るさはまだ9等台、しかも低空の厳しい条件だったが、すばる望遠鏡とHSCの組み合わせにより広い視野を鮮明にとらえ、1度角(満月の見かけの直径の2倍)にも伸びた尾を淡い部分まではっきりと写しだしている。
2枚目は14日ごろの急増光の後、16日に石垣島天文台(沖縄県)のむりかぶし望遠鏡がとらえた画像だ。複数の広がった尾とコマのアーチ状の構造が迫力ある姿を見せている。このコマ変化の異変については、まだよくわかっていない。
3枚目は、アイソン彗星が急増光するまで主役の座を謳歌していたラブジョイ彗星(C/2013 R1)。岡山天体物理観測所の口径50cm望遠鏡「MITSuME」が11月11日に撮影したもので、大きく明るいコマのようすがよくわかる。
現時点でも5等級で順調に増光しており、アイソンの露払いには終わらない勢いを見せつけている。12月には明け方の東の空で4等級程度の明るさになると予測されており、こちらも引き続き見逃せない。
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