AstroArts Topics

恒星・銀河

天の川を撃ち抜く超音速の弾丸、正体は浮遊ブラックホールの可能性

2017/01/18
天の川銀河の円盤部で発見された超高速度分子ガス成分を電波観測したところ、5000年から8000年前に起こった局所的な現象によって駆動されたものだと判明した。駆動源は一時的に活性化したブラックホールである可能性が高いようだ。

新星爆発で大量に発生していた「すす」

2017/01/17
古典新星の観測から、新星爆発で飛び散ったガス中に大量の「すす」が発生していたことが明らかになった。爆発前の白色矮星に炭素が豊富に含まれていたとみられ、C2分子からすすへと大きくなっていく痕跡も世界で初めてとらえられた。

近傍銀河に潜むガスと塵に隠された超大質量ブラックホール

2017/01/12
X線観測衛星NuSTARが、2つの近傍銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの存在を確認した。大量のガスや塵に隠されていてもX線なら観測が可能だ。

太陽の数兆倍の磁場を持つパルサーの正体

2017/01/11
静かなパルサーと考えられていた天体に、マグネターのような激しいX線バーストが観測された。この天体特有のものなのか、パルサーとマグネターは一つの天体の異なる進化段階であることを示す結果なのかは、わかっていない。

遠方銀河9万個の3次元分布図が完成

2016/12/22
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡で約8年かけて進められてきた、遠方銀河の分布図作りが完了した。9万個以上の銀河の情報は、宇宙の大規模構造やダークエネルギーについての研究に役立てられる。

最も明るい超新星の正体は、ブラックホールに飲み込まれた星かもしれない

2016/12/19
2015年に観測された、史上最も明るい超新星爆発だと思われていた現象は、高速で自転しているブラックホールに恒星が接近し飲み込まれることによって発生したものかもしれない。

ガスと塵の分布が示す2つの惑星誕生の証拠

2016/12/15
アルマ望遠鏡の観測により、若い星を取り巻く塵とガスの円盤に、はっきりとした暗い隙間が複数見つかった。そのうち2か所には、それぞれ土星ほどの質量の惑星が存在しているとみられている。

巨大な低温ガス雲に埋もれ育つ大きな胎児

2016/12/07
100億光年以上彼方の「クモの巣銀河」の電波観測から、この天体が低温で高密度の分子ガスの巨大な集まりの中にあり、そこから材料を得て巨大銀河へと成長していることが明らかにされた。

アルマ望遠鏡、惑星の種の大きさと、その成長に迫る

2016/12/06
アルマ望遠鏡を使った若い星「HD 142527」の観測により、この星を取り巻く円盤を構成する塵粒子の大きさが初めて高精度で見積もられた。また、円盤内で塵の性質に偏りがあることも初めて明らかになった。

不可思議な量子効果「真空複屈折」を示唆する初の観測成果

2016/12/01
強力な磁場を持つ超高密度天体である中性子星の観測から、80年前に予測された量子効果「真空複屈折」の証拠となる現象が初めて観測的に示されたとする研究成果が発表された。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

生命がいるかもしれない惑星のトランジットを地上から観測

2016/11/29
ハビタブルゾーンに位置する太陽系外惑星「K2-3d」が主星の前を横切るトランジット現象が、初めて地上の天体望遠鏡でとらえられた。惑星の公転周期が高精度で測定されたことにより、将来の観測で惑星の大気を調査できる見通しが高まり、地球外生命探索に繋がる重要な足がかりが得られたといえる。

超高輝度超新星が通常の超新星の100倍明るい理由

2016/11/28
超高輝度超新星の新たな理論モデルの計算から、星が爆発直前に放出していた大量のガスと超新星爆発時の噴出物とが激しく衝突することにより、通常の超新星よりも100倍程度明るく輝くことが示された。

すばる望遠鏡、天の川銀河の極めて暗い衛星銀河を発見

2016/11/22
すばる望遠鏡の超広視野焦点カメラ「HSC」が撮像したデータから、天の川銀河に付随する衛星銀河「Virgo I」が新たに発見された。最も暗い矮小銀河の一つで、天の川銀河の形成史やそれを左右するダークマターの性質を知る上で重要な成果だ。

観測史上最も明るい高速電波バースト

2016/11/21
高速電波バーストとは、数十億光年彼方で発生する謎めいた電波フラッシュだ。2015年に観測された現象は、これまでの高速電波バーストのうちで最も明るく、最も正確に位置が特定できたものとなった。

2機の天文衛星で重力マイクロレンズ現象を観測、褐色矮星を発見

2016/11/15
地上の天体望遠鏡とNASAの赤外線観測衛星「スピッツァー」とガンマ線観測衛星「スウィフト」が協力して重力マイクロレンズ現象を観測し、褐色矮星を発見した。

VLTが直接撮像した3つの原始惑星系円盤

2016/11/10
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTが、3つの若い星の周囲に存在する原始惑星系円盤を直接撮像でとらえた。そのうちの1つでは数か月の間に起こった変化までもが見えている。

重力レンズが見せたガンマ線フレアのリプレイ

2016/11/09
70億年前にクエーサーから放射されたガンマ線が、重力レンズ効果を受けて2つの異なる経路を通ったことによって、11日差で2回観測された。このクエーサーは観測史上最も遠い超高エネルギーガンマ線源だという。

星とガスの波が作りだす銀河の目玉模様

2016/11/08
銀河同士の相互作用により、銀河の渦巻きの中に星とガスの巨大な波が生じていることが明らかになった。掃き集められたガスの中で盛んに星が誕生し、銀河には目玉のような模様が作られている。

系外惑星を取り巻く、惑星の公転と逆回転する巨大な環

2016/11/04
系外惑星「J1407b」の環が主星J1407の潮汐力によって破壊されないメカニズムがシミュレーションによって解明された。環の回転の向きが惑星の公転と反対であれば、すぐには壊れないようだ。

接近した若い3連星の形成が進む現場

2016/10/28
若い星を取り巻く塵の円盤が分裂し、円盤内で若い3連星が作られる現場が、アルマ望遠鏡などによる観測で初めてとらえられた。