タイタンを流れる400kmの河川

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【2012年12月17日 NASA

地球における水と同じように、メタンの雨が降り、流れ、海をたたえる土星の衛星タイタン。探査機「カッシーニ」が、タイタンの地表を流れる大規模河川の詳細な姿をとらえた。


「カッシーニ」がとらえたタイタンの河川

「カッシーニ」がとらえたタイタンの河川。画像上が北方向。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/ASI)

土星最大の衛星タイタンは、地球以外で唯一、液体が安定的に地表に存在する天体でもある。地球では水の雨が降り、川となって海に流れ、蒸発してまた雨になるが、これと同様にタイタンには、エタンやメタンといった炭化水素の循環が存在する。その様子は、2004年から土星探査を続けている探査機「カッシーニ」と、その子機で2006年1月にタイタンに着陸した「ホイヘンス」の観測で明らかになってきた。

今年9月にカッシーニがレーダー観測でとらえたのは、タイタンの北極圏を400km以上にもわたって流れる川で、液体の炭化水素がLigeia Mareと呼ばれる大きな海に流れ込んでいる。地球以外の天体にある大規模の河川を詳細に観測できたのは今回が初めてだ。

「この川にはいくつかの短い支流がありますが、おおむねまっすぐ流れていることから、断層に沿ったものとみられます。同じ向きにこの海に流れ込む同様の大きな川は他にも見られます」(「カッシーニ」チームのJani Radebaughさん)。

「タイタンの岩盤に見られるこうした裂け目は、地球のような地殻運動によるものとは違いますが、盆地につながったり、巨大な海を形成したりすることがあります」

こうした姿は、地球最長の川であるナイル川を思わせる。本家ナイル川は、いくつかの箇所での断層など複雑なプロセスで形成されているとみられている。

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