29日に太陽最接近 アイソン彗星を衛星画像で見よう

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【2013年11月27日 アストロアーツSOHO LASCOJAXA

太陽系の果てからやってきたアイソン彗星がいよいよ29日、長い旅の折り返し点となる太陽最接近を迎える。太陽に近すぎるため地上から見ることはできないが、太陽観測衛星による画像で見届けよう。27日からすでに見えている。


11月末から12月初めまで、明け方の東の空でのアイソン彗星の位置

11月27日〜12月2日、地上から見たアイソン彗星の位置。11月29日の太陽最接近前後は見ることができない。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

11月27日午後、LASCO C3カメラの視野に入ってきたアイソン彗星(4時方向)

11月27日午後、衛星「SOHO」のLASCO C3カメラ視野に入ってきたアイソン彗星(画像中4時方向)。クリックで拡大(提供:SOHO/LASCO)

11月27日〜12月1日のアイソン彗星の位置

11月27日から12月1日までの、LASCO C3カメラ内での動き。クリックで拡大(星ナビ12月号より)

11月29日の動き

太陽最接近となる11月29日は、LASCO C2の拡大視野で見てみよう。クリックで拡大(星ナビ12月号より)

太陽に接近するにつれて夜明けの空に低くなっていたアイソン彗星は、25日から眼視での目撃報告がなくなった。これから29日に近日点(太陽最接近ポイント)を通過した後まで太陽のすぐそばに位置しているため、まぶしすぎて地上から観測することはできない。

肉眼または双眼鏡で太陽周辺を絶対に見てはいけません。強い光が目に入り、失明のおそれがあります

彗星が太陽に接近すると太陽観測衛星の視野に入る。NASAの衛星「SOHO」のウェブページでは、視野範囲の異なる2つのカメラでとらえた太陽周辺のようすが適宜更新されている。27日にはすでにアイソン彗星が視野の広い「LASCO C3」にとらえられているので、その動きを追ってみよう。

太陽表面に約120万kmまで近づくアイソン彗星は、熱や重力で大きく変化することが予測される。核が壊れて消滅する可能性、あるいはガスや塵の爆発的な放出で明るくなり夜明け前の東の地平線上に尾の先だけが現われる大彗星となる可能性、いずれもが存在する。直接見ることはかなわないが、世界中の彗星ファンが固唾をのんで見守る数日間となるだろう。


ステラナビゲータでアイソン彗星の位置と見え方をシミュレーション

ステラナビゲータでシミュレーション

「ステラナビゲータ」で、LASCO C3カメラでの見え方をシミュレーション。クリックでYouTube動画へ

ステラナビゲータでアイソン彗星がLASCO C3の視野内でどのように見えるかシミュレーションできるスクリプトを、「コンテンツ・ライブラリ」で公開しました。「コンテンツ」メニュー→「コンテンツ・ライブラリ」から「SOHOの視野を通過するアイソン彗星」をダウンロードし、「お気に入り」メニューから実行してください。


国際宇宙ステーションからも撮影

11月23日にISSから撮影したアイソン彗星

11月23日、カナダの上空420kmでISSから撮影したアイソン彗星(画像中央やや右下)。クリックで拡大((c) JAXA/NHK)

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一さんが23日、宇宙用の超高感度カメラ「4Kカメラシステム」を用いてアイソン彗星を撮影した。大気の揺らぎのない宇宙という「彗星観測の特等席」から、アイソン彗星が尾から上がってくるようすを見事に収めている。

12月4日(水)午後7時30分から放送される「NHKスペシャル」では、若田さんのコメントとともにISSから見たアイソン彗星の姿を生中継で紹介する予定となっている。

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