WISEからNEOWISEへ 眠りから目覚めた赤外線衛星
【2013年12月26日 NASA】
NASAの赤外線天文衛星「WISE」が2年半ぶりに再稼働。「NEOWISE」と改名して地球近傍小惑星の観測を行う。有人探査の対象となる天体もこのミッションの観測対象から選ばれるかもしれない。
NASAの赤外線天文衛星「NEOWISE」(ネオワイズ)が、およそ2年半の冬眠モードから目覚めた後、初のテスト観測画像を送ってきた。口径40cm望遠鏡と赤外線カメラにより、直径42kmの小惑星ホルダ((872) Holda)が以前と変わらない画質でとらえられている。
当初「WISE」(ワイズ)と名付けられた衛星は2009年12月に打ち上げられ、メインミッションとなる全天サーベイ「WISE」と太陽系小天体サーベイ「NEOWISE」を実施。1年余りで3万4000個以上の小惑星を発見し、そのデータから7億4700万以上の天体を含むカタログが公開されている。
予定ミッションが終了した2011年2月にほとんどの搭載機器をオフにして省エネの冬眠モードに入り、再稼働したのが今年9月。衛星自体も「NEOWISE」と改名して心機一転、新たなミッションの準備が行われているところだ。
本格稼働後は地球近傍小惑星の統計的な観測を行い、地球に危害を及ぼす可能性のある天体などの発見、またさらに詳しい観測を行う。アメリカが2025年までの実現を目指す小惑星捕獲・有人探査の目標天体も、NEOWISEの観測対象から選ばれるかもしれない。