最接近まであと半年 「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星
【2015年2月5日 NASA/New Horizons】
2006年に打ち上げられたNASAの探査機「ニューホライズンズ」が、目標天体である冥王星を今年初めて撮影した。1月下旬におよそ2億km離れた距離からとらえられた冥王星(直径約2300km)と衛星カロンは、「ただの点」からじょじょにその姿形を大きく見せはじめている。
こうした画像は、目標天体までの距離の正確な計測や、探査機の軌道修正に利用される。探査機は時速約5万kmで冥王星に近づいており、7月14日の最接近通過に向けて最初の軌道修正が3月に予定されている。
探査機には、冥王星の発見者で今年2月4日に生誕109年を迎えた天文学者クライド・トンボーの遺灰も収められている。娘のアネットさんは、「自分が発見した惑星(原文ママ)やその衛星を目の当りにしたら、父はきっと驚き感激したでしょうね。(ニューホライズンズによる探査を)特別な思いで迎えることになっていたに違いありません」と史上初の冥王星探査への感慨を語っている。
探査機の位置と航路
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、冥王星などの準惑星や「ニューホライズンズ」など主な探査機の位置や航路を表示することができます。
〈参照〉
- NASA: NASA Spacecraft Returns New Images of Pluto En Route to Historic Encounter
- New Horizons: Happy Birthday Clyde Tombaugh: New Horizons Returns New Images of Pluto
〈関連リンク〉
- 冥王星探査機ニューホライズンズ: http://pluto.jhuapl.edu/
- NASA: http://www.nasa.gov/
- 星ナビ.com こだわり天文書評:
〈関連リンク〉
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- 2014/08/07 - アルマ望遠鏡で冥王星の軌道を精密測定
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- 2013/02/14 - 冥王星の衛星に名前をつけよう
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