冥王星の表面にクジラ、ドーナツ、ハート模様

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探査機ニューホライズンズの冥王星最接近まで残すところあと5日、距離は1000万kmを切った。撮影データから作られた冥王星の地図にはクジラやドーナツのような模様が、また7日に撮影されたばかりの画像にはハートのような明るい模様が見えている。

【2015年7月9日 NASA (1)(2)

冥王星の地図は6月27日から7月3日に「ニューホライズンズ」が撮影したデータから作られており、様々な大きさや形をした明暗の模様がよくわかる。

冥王星の地図
冥王星の地図。左右端が子午線、上端が北極で上下中央が赤道(南緯20度付近より南はデータがない)。望遠撮像装置「LORRI」による白黒の観測データと可視光・赤外線撮像装置「Ralph」によるカラーデータを合成。クリックで拡大(提供:NASA/JHUAPL/SWRI、以下同)

赤道に沿って東西に長く伸びた暗い領域は、その形から「クジラ(whale)」と非公式に呼ばれている。長さ3000kmのクジラの頭(暗い領域の右端)の右には、冥王星の表面で最も明るい領域が1600~2000kmにわたって広がっている。凍ったメタンや窒素、一酸化炭素などを含んだ比較的新鮮な霜が積もっているのかもしれない。さらに右には、4つの暗い部分が見える。

一方、クジラのしっぽ部分(暗い領域の左端)の上には、大きさ約350kmのドーナツ型の模様も見える。太陽系の他の天体に見られる衝突クレーターや火山に似ているが、その正体が何であるかの答えはさらに詳細な画像が取得されるまでおあずけだ。

2枚目の画像は、7月7日に冥王星から800万kmの距離から撮影されたものだ。ニューホライズンズは4日に異常をきたし一時的にセーフモードに入っていたが、そこから回復してから以降としては初の観測画像となる。

冥王星
7日に撮影された冥王星。右下の明るい部分がハートに見える

「クジラ」の頭(中央下)の右に広がる明るい部分は、ハートのような形に見える。形だけでなく、最も暗い「クジラ」と最も明るい「ハート」、そして中間の明るさである北極域という3つの広い領域が見えていることも面白い。

ニューホライズンズが14日の冥王星最接近時にクローズアップ観測を行うのはこの画像の中心付近だ。「最接近時には現在の約500倍の解像度でとらえられることになります。信じられないような光景になるでしょう」(NASAのJeff Mooreさん)。

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